MODEL EXPERIENCE

生野には「◯◯が地場産業のまち」と呼ばれるその頭に入る「ものづくり」が、実は多種多様なことに気づく。靴、鞄、眼鏡といった製品が並ぶこともあれば、金属加工や木材加工、プラスチック加工など製品になる前のものたちが今日もつくられる。その豊かな複雑さこそが生野の磁場。一つにとどまらない、ものづくりの生野にぞっこん惹きつけられてみよう!

Spot 3

glass工房ココロイロ

住所 大阪市生野区生野西4-19-9(生野本通商店街内)
WEB https://www.glass-cocoroiro.com/
Instagram @sakurasaku23

商店街の一角にあるガラス工房

バーナーで高温に熱せられたガラス。それを自在に操り繊細に形づくっていく新野さん。宇宙を詰め込んだようなアクセサリーや、キュートなドラゴンをモチーフにしたオブジェなど、奥行きあるガラスの優しさを感じられる。

ガラスを使ったものづくりの世界は広く、バーナーで熔かして使って作品などをつくるガラス工芸もあれば、吹きガラス、切子ガラス、ステンドグラスなど、いろんな技法がある。生野にも、切子ガラスやステンドグラスをつくる工房などがある。

glass工房ココロイロは、商店街に面したショーウィンドウに作品が並び、ときどき窓越しに新野さんや生徒たちが制作している姿も。このまちには二代目、三代目と受け継がれてきた町工場も多い中、新しいものづくりの顔となっている。

つくる楽しさ、変化する楽しさ

glass工房ココロイロは自らの作品づくりをするアトリエだけでなく、教室としても開かれたガラス工房だ。みて、つくって、考えて、楽しむ。そんなものづくりの魅力を凝縮したガラスを通じた体験に出会える。

工房には、酸素バーナーと呼ばれる2,000度近くまで熱することができるバーナーがずらりと並んでいる。理科の実験で使うガスバーナーのような細長い口から炎が真っ直ぐに噴き出され、ガラスを近づけると熔け出し、さまざまな色や形、質感へと変化していく。微かにゴーと炎の音が響く中、手を静かに動かしながら作品を作り出していく。

教室では、ガラスや新野さんと対話しながら、いろんな表情のガラス工芸に取り組まれている。体験講座が開かれるときもあり、はじめての人でもガラス工芸に触れることができる。

実は、ジャグリングもできる新野さん。人から人へ、楽しさを伝えることのルーツが、大学時代にやっていた大道芸に通じている。豊かな表現に触れ心弾ませながら、ガラスの魅力を存分に味わえる工房である。

ガラスの魅力、世界へ発信

新野さんの作品は、InstagramなどのSNSで発信され、瞬く間に多くの人たちに届く。作品や制作、展示会の様子などが写真や動画でアップされ、驚くほど数多くのいいね!やコメントがつく。ファンは日本だけにとどまらず、海外からも素敵!大好き!との声や、作品を見に日本へ行きたいというメッセージなども届く。小さな画面越しに、ガラス作品たちの魅力に惹き込まれていく様子が世界中でシェアされ、生野を越えてつながるものづくりの可能性を感じられる。

ものづくりの新たな一線

ものづくりに携わる人たちには、職人としての一面も、作家としての一面もある。そして新野さんやglass工房ココロイロからは、その両面と、さらには場を開き、情報も広げながら、ガラスという表情を幾重にも変えていけるものづくりの魅力を伝えるパフォーマーの力をも感じる。生野の商店街の一角から、新しいものづくりの世界を切り拓くしなやかな創造力がここにはある。

IKUNO下町スポット

東へ足をのばすと生野銀座商店街へと続く。その一角にギャラリーとしてもイベントもできる見せる場が生まれてこれから楽しみと教えてくれた。その名もiron na ba(イロンナバ)。

住所:大阪市生野区生野東4丁目1−41